この記事を書いた人(きのぴぃ)
部品メーカー広告宣伝記事・電気系の雑誌や無線雑誌の元ライターをやってました。
以前よりガジェット集めをやっており、本業(電子機器メーカー勤務)の知見を活かしたレビューが得意です。
(詳しくはこちら)
2024年4月上旬、ついにピエール中野氏コラボモデルであるピヤホン8ことTE-W1-PNKが発売された。ここの所、立て続けに新製品を出しているので、そっぽを向かれるのかと思いきや、巷の反応は好意的で、前モデルである5ドライバー型ハイブリッドイヤホンであるピヤホン7同様、売切れ続出しているようだ。
タイミングからして、ピヤホン7とピヤホン8は、ほぼ同時期に開発されたのではないかと思われる。
ここの所、ピエール中野コラボモデルを追いかけていたものの、正直な所、ベースモデルまでは、まともに聞いていなかった。
そりゃ~ミュージシャンであるピエール中野氏が監修しているのだから、変な物は作らないよね。当然!
今までは、そう思ってた。しかし、ピエール中野モデルのプロモーションビデオを見ると、同氏は「ベースモデルのできがいい」としきりに言っているのだ。
本当は手抜きをしているんじゃ…
なんだろう。このモヤモヤ感は。「ピエール中野氏手抜き疑惑」が浮上してきたのだ!? これは確かめない訳にはいかない。
以前、お店でTE-W1を試聴こそしたけれど、腰を据えて聞いていない。そこで、急遽ピヤホン8のベースモデルであるTE-W1を追加購入し、徹底比較レビューを敢行したので、TE-W1とTE-W1 PNKどちらがいいのだろうとお悩みの方は、是非参考にしてほしい。
【ある日のきのぴぃ家】
またイヤホン買ってきたの?バ〇!(プンプン)
(見つかっちゃった。アセアセ)
いやー。あのぉ。びっくらカメラのびっくりポイントで…
それじゃぁ、溜まった びっくりポイントでお肌にいいフェイススチーマーでも買ってもらおうかしら(ボソッ)。
(ヤバ。ポイント全部使っちゃったんですけど…)
AVIOT TE-W1-PNKピヤホン8レビュー
- ダイナミックドライバーらしい柔らかめの高音域で低音域とのバランスも取れている。
- ベースモデルにはないカラビナ+セミハードケースが付属している。
- ベースモデル同様、3Dスペーシアルオーディオを搭載。
- ベテラン声優である日高のり子氏のボイスガイダンスが収録されている。
- ベースモデルよりも高価になっている。
- BAドライバーのような高音域のシャープさに欠ける。
- ベースモデル同様、イヤホンの取り出しづらさを継承している。
- イコライザーをCUSTOMの状態で弄った場合、保存しないと反映されない(ベースモデル同様)。
AVIOT TE-W1のレビュー(再投稿)
- ダイナミックドライバーを2つ使い、低音域・高音域と分けている。
- ネイビーとレッドの2色。ゴールドのラインが入るレッドは特にお洒落かも。
- 高音域のキレがないので、BAや平面振動板の音に慣れている人からすると、物足りない感があるかも。
- 3月中旬時点で、専用アプリが対応していなかった。⇒対応済
- 何気にイヤホンが取り出しづらかった。
- 2024年5月追記:イコライザーをCUSTOMの状態で弄った場合、保存しないと反映されない。
以前のアーティクルに「ダイナミックドライバー2発使用しており、「ULTRA DEEP BASS」と称するだけあって、低音域は大分出ているが、高音域はシャープさに欠けるところも感じられた。」と書いているが、腰を据えて聞いた印象でも初めのうちは変わらずだったけれど…。
変わらなかったんだったら、それって、本当は買わなくてよかったんじゃないの?(プンプン)
い。いや~。ははは…。びっくりポイントだしぃ。
びっくらポン…なんてねぇ(滝汗)
それにぃ、この話には続きがあるのだよ。
2機種の音質の評価は?
ここでは、ピヤホン8とTE-W1の音質の評価をしている。
ちなみに、以前のアーティクルでピヤホン8をデータからどのような製品なのか解析した記事を公開しており、コアキシャル(同軸)となっているデュアルダイナミックドライバーについての解説もしているので、興味のある人はそちらも参考にしてもらいたい。
▲ブラックはTE-W1-PNK(ピヤホン8)、ブルーはベースモデルのTE-W1だ。印刷も異なっている。
音質をストレートに言うとこうだ!
さて、試聴した結果を次にまとめている。イコライザーは一切いじらず、デフォルト(標準)状態で聴いた際の印象だ。両者とも1万円代のイヤホンだけあって、聞きごたえはあるものの…。
まず、買ってすぐの印象(イコライザーは「Bypass」)。
TE-W1 | TE-W1-PNK(ピヤホン8) | |
低音域 | 低音域がTE-W1-PNKよりも目立つように感じるセッティング | TE-W1よりも低音域をかなり控えめにしている印象。 |
中域・高音域 | BAドライバーのような煌びやかさはないが、柔らかめな音に感じる。 | TE-W1より若干高音域にキレがあるように感じる。 |
購入当初、TE-W1は結構低音域が目立っていたように聞こえていたのだけれど、ある日を境に、急にTE-W1の音に変化が。低音域にボリュームが感じられず、TE-W1-PNKと然程変わらない感じに聞こえるようになってしまったのだ!?
これには流石に戸惑ってしまった。
ついに自分の耳が壊れたのか??
しかし、TE-W1-PNKの方は、変化していないようなので、原因はTE-W1の方にあると睨んだ。
- イコライザーを弄ってみると、「Bass Boost」を掛けた時の音が初めに聞いた音に近しいことから、購入当初は何らかの原因で、意図せず「Bass Boost」の状態になっていたのではないかと考えられる。
- 低音域が上がった症状を再現しようと検証するも、現時点では再現できないため、かなり突発性なものでないだろうか。
- その後、新しいファームウェアも書き込んでいることから、どの時点で変わったのか分かりかねる状態だ。
始めから周波数特性を測っておくべきだったと、非常に悔やんでいる。TE-W1のファームウェアを一切アップデートしていない人から、ぜひ追試および情報提供をお願いしたい(SNSでご連絡を)。
続いて、現在の状態での印象(イコライザーは「Bypass」)。比較対象の状態が変わってしまったので、当然評価は変わっている。
TE-W1 | TE-W1-PNK(ピヤホン8) | |
低音域 | TE-W1-PNKよりも若干低音域が目立つように感じるが、人によっては僅差とも言える。 | TE-W1よりも低音域を若干控えめにしている印象。 |
中域・高音域 | BAドライバーのような煌びやかさはないが、柔らかめな音に感じる。 | TE-W1より若干高音域にキレがあるように感じる。 |
低音域は僅差とは言っているものの、
TE-W1とTE-W1-PNKを比較すると、確かに出音は全くの別物ですわ。
楽器の音に着目すると、こうも違うのかと。
さて、以上の結果をまとめると、次のようになる。
- TE-W1-PNKは、楽器(特にドラム)とボーカルのバランスが絶妙。万人受けタイプ。
- ベースモデルTE-W1とは、音質は微妙な差とも言える。粗削りとでも言おうか。聞き比べさえしなければ、ベースモデルもありと言えそう。ただし、重低音をかなり期待する人にはおすすめはできない。
個人的には、TE-W1で謳っている「ULTRA DEEP BASS」はいずこへ?という疑問が。標準状態が「ULTRA…」だったのであれば、重低音が大好きな人はガッカリするのではないか?? あんまり過ぎる(ToT)と。
「Bass Boost」を効かせて聴きこんでみたが、その昔に流行ったような お下品な位荒々しい重低音ではなく、すごく控えめ。
聴きこんでいくほど、「ULTRA…」というほどではないかなという気もしてきているんだ。凄く期待していたんだけれど…。
あまり重低音過ぎると、長時間聴いてられないという意見でもあったのかな?? 次回に期待。
TE-W1という製品自体には悪い印象はないし、罪はない。しかし、良い製品であっても、過大期待させるようなネーミングを付けると、味噌を付けてしまうこととなり、逆にネガティブな印象も。
AVIOTさんに限らず、機能のネーミングには気を付けてほしいと願っている。
周波数特性を測って定量的に比較する
今回も懲りずに、おいらのバ〇耳だけでなく、周波数特性を測り、定量的にも比較をしている。周波数特性を取ることで、イヤホンがどのようなものか、おいらの耳が〇〇だとか、ある程度のことが分かってしまうのだ。
とは言え、マニアックな話になるので、興味のある人以外は、先へ読み進んでほしい。
▲TE-W1およびTE-W1-PNKの周波数特性(現在)
- 200~1000Hz(1kHz)までがフラットに近い。
- 1.5kHz前後~4kHzまで、TE-W1-PNKよりもレベルが高め。
- 200~300Hz前後が下がり傾向。
- 5kHz及び9kHz位にはっきりしたピークがある。
TE-W1-PNKの
- 200~300Hz前後が下がり傾向。
- 5kHz及び9kHz位にはっきりしたピークがある。
というこの特徴がボーカルのバランスを取りつつも、楽器を聞いた時にメリハリよく聞こえるポイントではないだろうか。
別の視点から比較してみる
ボイスガイダンスの違い
TE-W1 | TE-W1-PNK(ピヤホン8) |
爽やかな声の謎のおねいさん(!?) | 日高のり子氏 |
TE-W1では、ボイスガイダンスの声の主がなぜか明かされていないのだが、若い声優さんではないかと(知っている人いたら教えて!)。TE-W1-PNKは、ベテラン声優である日高のり子氏が担当。
日高のり子さんって、タッチの「みなみちゃん」(の声優さん)よね♪
歳がバレるぞ(ガクガクブルブル)。
▲TE-W1-PNKのみ登場する「ボイスチェンジャー」ボタン。日髙のり子氏による5パターンの声色に変えることができる。
しかも、声色が「Natural」「Mechanical」「Cute」「Vivid A」「Vivid B」の5パターンに切り替えが可能となっている。これは、同氏のファンであったらたまらない機能であるのは間違いない。
日髙のり子ファンは、迷いなくTE-W1-PNKなのだろうけれど、逆張りで「爽やかな声の謎のおねいさん、キボンヌ!」という人はTE-W1でも良いかもね。
価格による違い
TE-W1 | TE-W1-PNK(ピヤホン8) |
15,950円 | 19,800円 |
TE-W1とピヤホン8の価格差3,850円は何かというと、
●持ち運びに便利なカラビナ+セミハードケース代
●ピエール中野チューニングのプレミアム料金
●ボイスガイダンスの日髙のり子氏バージョンへのアップグレード料金
以上の様になるだろう。
たった、3,850円でケースが付いて、ピエール中野チューニングになるなら安いものではないかと思われるが、それらに価値を見出せない人はTE-W1でも全く問題ないと思っている。
TE-W1/TE-W1-PNKの共通機能は?
ピヤホン初のワイヤレス充電機能搭載!
▲HIDISC HD-WCP5RDというワイヤレス充電器では、ピヤホン8はケースのまま充電が可能だった。
よーく資料を見ていなかったので、製品を買うまで分からなかったが、TE-W1/TE-W1-PNKの両機種はワイヤレス充電ができるのだ。
手持ちのワイヤレス充電器で試した所、TE-W1-PNKをケースに入った状態でワイヤレス充電器に置くと、なんと充電してくれたではないか!? 外出先から帰ってきたら、ケースのまま充電台に乗せて充電するだけ。
これは便利だ。
ワイヤレス充電器によっては、ダメな場合も考えられるので注意してね!
ワイヤレス充電は、ピヤホン初の機能! 他の機器同様、充電時間はかかるのだけれど、これは嬉しい機能だ。
3Dスペーシアルオーディオで立体感が広がる
購入するまで試せなかった3Dスペーシアルオーディオは、TE-W1・TE-W1-PNK、どちらも聞き具合は同じ。ONにすると、今まで頭の手前で鳴っていた音が、耳の付近にまで回り込んでいるよう聞こえ、さらに立体感が増す機能だ。位相を変化させることにより、3Dシステムを実現しているのだろう。
AVIOTは、面倒な設定要らずで3Dを実現しているのがいいね!
両機種共に最大50時間再生、ハイレゾ対応(Bluetooth)、マルチポイント対応、ノイズキャンセリングの効きもよく、嫌な圧迫感がないのは嬉しい。
TE-W1・TE-W1-PNKレビューまとめ
AVIOT TE-W1とTE-W1-PNKを比較して、改めて「ピエール中野氏は手抜きを一切していない。」ということが明らかになった。
手抜きしていると疑ってすいませーん!!
1万円台のイヤホンだけあって、両機種とも聴きごたえがある。同じボディでありながら、異なるキャラクターを持つイヤホン。どちらを選ぶ?
- ダイナミックドライバーらしい柔らかめの高音域で低音域とのバランスも取れている。
- ベースモデルにはないカラビナ+セミハードケースが付属している。
- ベースモデル同様、3Dスペーシアルオーディオを搭載。
- ベテラン声優である日高のり子氏のボイスガイダンスが収録されている。
- ベースモデルよりも高価になっている。
- BAドライバーのような高音域のシャープさに欠ける。
- ベースモデル同様、イヤホンの取り出しづらさを継承している。
- イコライザーをCUSTOMの状態で弄った場合、保存しないと反映されない(ベースモデル同様)。
- ダイナミックドライバーを2つ使い、低音域・高音域と分けている。
- ネイビーとレッドの2色。ゴールドのラインが入るレッドは特にお洒落かも。
- 高音域のキレがないので、BAや平面振動板の音に慣れている人からすると、物足りない感があるかも。
- 3月中旬時点で、専用アプリが対応していなかった。⇒対応済
- 何気にイヤホンが取り出しづらかった。
- 2024年5月追記:イコライザーをCUSTOMの状態で弄った場合、保存しないと反映されない。