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【2024年の超絶音質!】ピヤホン7 AVIOT TE-ZX1-PNKをレビュー!全機種比較した結果おすすめできるか?

きのぴぃ

この記事を書いた人(きのぴぃ)
部品メーカー広告宣伝記事・電気系の雑誌や無線雑誌の元ライターをやってました。
以前よりガジェット集めをやっており、本業(電子機器メーカー勤務)の知見を活かしたレビューが得意です。

様々な製品を発売し、最近特に無線イヤホンで際立っているメーカーがある。それが、AVIOTだ。AVIOTではいち早く無線イヤホンにトリプルドライバーを採用。凛として時雨のドラマーであるピエール中野氏とタッグを組み、様々なコラボ商品を発売している。それが、ピヤホンシリーズだ。

2019年にトリプルドライバー式のピヤホン1が登場し驚かせたものだが、2024年、ついに5ドライバー式の無線イヤホンであるAVIOT TE-ZX1-PNK(通称「ピヤホン7」) を登場させたのだ。
歴代ピヤホンシリーズと共にレビューを行い、ピヤホンシリーズの軌跡を追っていきたいと思う。

※AVIOTでもピエール中野氏コラボ製品は、「無線ピヤホン」ではなく、「ピヤホン~」と呼称しているが、有線版を販売しているアルペックス・ハイユニットのものと混同しやすいので、当ブログでは便宜上、俗称の「無線ピヤホン」と言っている。

目次

歴代無線ピヤホンを含めた使用感の最速レビュー

AVIOTの無線ピヤホンシリーズは、トリプルドライバー採用の無線ピヤホン1(TE-BD21f-pnk)から始まり、2(TE-D01d-pnk;φ6mmダイナミック型)、3(TE-BD21j-pnk)と続いているが、それらはすでに生産完了となっている。
ピエール中野チューニングの今までの軌跡を追うべく、無線ピヤホン全機と共にピヤホン7をレビューしよう。

まずは、使い勝手などをレビューしていくが、音質については、後述する音質レビューで紹介している。早く知りたい人は、リンクをタップしよう!

無線ピヤホン1(生産完了品)

無線ピヤホン1 TE-BD21f-pnk(TE-BD21fがベース)
総合評価
( 4 )
メリット
  • 紛失防止用ストラップを使用することでセミワイヤレスのように使える。
  • 2019年7月現在では世界初となる ダイナミック+2基のBA型のトリプルドライバー方式。
  • 防水性能はIPX5(噴流に対して保護)。
デメリット
  • 充電時間が2時間と長い。
  • TE-BD21シリーズはイヤホンが取り出しづらい。
  • マルチポイント機能がない。

無線ピヤホンの元祖。ここから、優れた音質を持つピヤホンシリーズの伝説が始まる。

無線ピヤホン2(生産完了品)

無線ピヤホン2 TE-D01d-pnk(TE-BD21j-ltdがベース)
総合評価
( 3.5 )
メリット
  • 連続再生9時間。
  • イヤホンが取り出しやすい。
デメリット
  • 充電時間が2時間と長い。
  • 防水性能はIPX4(水の飛まつに対して保護)と無線ピヤホン1&4よりも若干落ちる。
  • マルチポイント機能がない。
  • なぜか、このモデルではダイナミックドライバー1基。どうしても見劣り感がしてしまう。
  • 充電端子がMicro USBである。

無線ピヤホン唯一であるダイナミックのみのイヤホン。ピエール中野氏のチューニングをすると普通のイヤホンも見違えるほどになるというサンプルケースなのだろう。

無線ピヤホン3(生産完了品)

無線ピヤホン3 TE-BD21j-pnk(TE-BD21jがベース)
総合評価
( 4 )
メリット
  • 連続再生9.5時間。
  • コーデックが高音質向きのaptXAdaptiveに対応
  • トリプルドライバー方式。
  • 無線ピヤホン1で好評だったストラップを付属。
  • 充電ケースが小さい。
デメリット
  • 防水性能はIPX4と無線ピヤホン1&4よりも若干落ちる。
  • TE-BD21シリーズはイヤホンが取り出しづらく、それを継承してしまったのが惜しい。
  • マルチポイント機能がない。

無線ピヤホン5の前モデル。見た目は変わらない。

無線ピヤホン4(現行品)

無線ピヤホン4 WE-BD21d-pnk(WE-BD21dがベース)
総合評価
( 4 )
メリット
  • 低遮音イヤーピースが付属している。
  • コード付きのセミワイヤレスなので、落下しにくい。
  • 再生時間は最大13時間(apt-x/apt-x HDの時は若干短くなる)。
  • トリプルドライバー方式。
  • 防水性能はIPX5。
  • マルチポイント機能を搭載。
デメリット
  • apt-x HD止まりなのが惜しい。
  • コードが切れたら使えなくなる
  • 充電時間が2時間と長い。
  • セミワイヤレスなので、操作部が邪魔という向きも。

コードが付いたセミワイヤレスタイプ。イヤホンが落ちやすいのが心配という向きが泣いて喜んでいるという。無線ピヤホン1で採用されたトリプルドライバー式を継承。

\セミワイヤレスでイヤホン落ちも安心!/

有線ピヤホン5(現行品:入手難)

無線ピヤホン5 TE-BD21j-ltdpnk(TE-BD21j-ltdがベース)
総合評価
( 4 )
メリット
  • 連続再生9.5時間。チャージングケース併用で45時間
  • コーデックが高音質向きのaptXAdaptiveに対応
  • ダイナミック+2基のBA型のトリプルドライバー方式。
  • マルチポイント機能を搭載。
  • 無線ピヤホン1で好評だったストラップを付属。
  • 充電ケースが小さい。
デメリット
  • 防水性能はIPX4と無線ピヤホン1&4よりも若干落ちる。
  • TE-BD21シリーズはイヤホンが取り出しづらく、それを継承してしまったのが惜しい。

無線ピヤホン3のベースモデルであるTE-BD21jをハイレゾ対応+マルチポイント接続化したTE-BD21j-ltdがベースモデルとなっている。このモデルでもトリプルドライバーを継承。
現行モデルではあるが、新品は流通品限りとなっており、入手難の状態だ。

無線ピヤホン6(現行品)

無線ピヤホン6 TE-Z1PNK(ピヤホン専用モデル)
総合評価
( 4.5 )
メリット
  • カスタムIEM(イン・イヤー・モニター)でも使用される金属製のノズルを採用。
  • 平面磁気駆動振動板+ダイナミックの2ドライバーを搭載。
  • コーデックを高音質向きのLDACに対応 。
  • 音質に影響を最小限にしたノイズキャンセルを搭載 。
  • 低遅延対応のゲーミングモード搭載。
  • マルチポイント機能を搭載。
デメリット
  • 無線ピヤホン4&5よりも再生時間が短い(連続7時間。チャージングケース併用で18時間)。
  • 防水性能はIPX4と無線ピヤホン1&4よりも若干落ちる。
  • 音漏れが気になる?

ピヤホン専用モデル。ドライバーを見直し、ダイナミック+ツイーターに平面磁器駆動振動板を用い、コアキシャル(同軸)に配置。平面磁器駆動振動板が紡ぎだす高音域がクセになるフラッグシップモデル。

\平面磁器振動板の紡ぐ高音域がクセになる!/

【NEW】ピヤホン7

ピヤホン7
総合評価
( 5 )
メリット
  • 平面磁気駆動型+ダイナミック、3基のBA型のトライブリッド5ドライバーを搭載。
  • コーデックを高音質向きのLDACに対応 。
  • 無線ピヤホン6のノイズキャンセルをさらに性能を向上。
  • マルチポイント機能を搭載。
  • 爪が入るよう溝ができて、ケースの蓋の開け閉めがしやすくなった。
デメリット
  • 無線ピヤホン6よりも再生時間が長いものの、無線ピヤホン4&5よりも再生時間が短い(連続8時間。チャージングケース併用で20時間)。
  • 防水性能はIPX4と無線ピヤホン1&4よりも若干落ちる。
  • 約5万円と高価である。

さらなる高音質化を狙って、3種類のドライバー(計5個)を搭載したトライブリッド5ドライバー式の究極の無線イヤホン。ダイナミック+平面磁器駆動振動板をコアキシャルに配置している。

\5ドライバーが織りなす超絶音質を体感せよ!/

注意点

たまたま見つけた注意点を記載しておきたい。

EQ表示不具合の件

「あれ?」と思う人もいると思うので、ここで不具合の件を書いておきたいと思う。製品の初期状態で起こるものだ。

STEP
初期状態でペアリング
STEP
メーカーアプリの「SOUNED ME」でTE-ZX1-PNKを選択
STEP
「EQ設定」をタップ

初期状態は「Bypass」となっており、その状態から「中野雅之」モードをタップすると、音に変化はあれど、表示はフラットのままとなっている。iOS17.2.1(iPhone13ProMax)、Android12(Sharp SH-41A)及びAndroid13(Sony NW-ZX707)で確認。

現在の解決策は、「Bypass」から別のモードにしてから「中野雅之」モードをタップすると問題なく、一度そのおまじないをすれば、リセットを掛けない限り記憶されている。対した不具合ではないので、笑って許そうではないか。

アップデートでいずれ治るものと思われる。

【2023.2.21追記】メーカーと本件についてやり取りを行い、「初回接続時や使用環境(通信環境等含む)の影響でタイムラグが発生し、バー表示が反映されないことがある」旨、回答を得ている。

マニュアルの誤記

たまたまリセットをするためにネットで公開されているマニュアルを見ていたら、誤記(?)を発見。リセットの仕方の2番目に記述のあるケースのLED云々という記述「青に3回点滅」とあるが、正しくは「白に3回点滅」だ。
ピヤホン7(TE-ZX1-PNK)は、待ってもケースは青く光らないので注意しよう。

【2023.2.21追記】メーカーと本件についてやり取りを行い、誤記であるのを確認したので、修正する旨、回答を得ている。

ピヤホン7誕生秘話

では、究極の無線イヤホンであるピヤホン7の生みの親であるピエール中野氏のコメントを紹介しよう(メーカーサイトより転載)。

前モデル“TE-Z1PNK(ピヤホン6)”の時点で、完全ワイヤレスイヤホンの音質をこれ以上追求するのは難しいと思っていたのですが、有線派の方もきっと驚くほどのクオリティを実現することができました。
「下手にいじったら全部が崩れてダメになってしまうのではないか」というくらい完成度の高いサウンドの“TE-ZX1”をベースモデルに、どうやってピヤホンシリーズらしさを出せるのか。考え抜いた先に行き着いたのが、低音の質感でした。何度も開発チームと試行錯誤を重ね、“うねるような低音”が特徴の、唯一無二のサウンドが完成しました。
また、前モデルに引き続き、本モデルにもアクティブノイズキャンセリングを搭載。ノイズキャンセリングがさらに向上しているのに、圧迫感を感じない。「なんてすごいことをしてくれているのだろう、AVIOT」と感動の仕上がりです。
技術の進歩や、エンジニアの努力が感じられるサウンドを、そしてそこへの驚きと感動を、ぜひみなさんにもご体感いただきたいです。(メーカーサイトより転載 TE-ZX1-PNK 製品情報|AVIOT)

ベースモデルとなったのが、同時発売された姉妹機種TE-ZX1。ワイヤレスで5ドライバーという想像を絶するイヤホンで、発売前に行われた展示会では、高評価だったよう。
デュアルドライバー方式は、ドライバーが1つの時よりも、音合わせが難しく、デュアルドライバー式のイヤホンを発売しているメーカーですら2ドライバーで留めている。それだけ、デュアルドライバーの音合わせは難しいのだ。

他社が躊躇している中、2019年に無線ピヤホン1のベースとなったTE-BD21fでその当時世界初のトリプルドライバー式を成功させ、その後も(無線ピヤホン2を除いた全機種で)デュアルドライバー式イヤホンを続々と登場させている。

5年の月日を経て、ついに無線イヤホン究極の「5ドライバー式」を完成させ、他社からの追従を引き離しにかかった。もう、どのメーカーも追いつけない。キングOFイヤホンというべきモンスターマシンが誕生してしまったのだ。

謎のプロジェクト“Assemble for PNK”とは

AVIOTでは、製品のリリースに伴い、多数の著名アーティストが参加し、 “ピヤホン”の世界をさらに広げていくという"Assemble for PNK"プロジェクトを立ち上げた。

第一弾として、本モデルにBOOM BOOM SATELLITES、THE SPELLBOUNDのメンバーである中野雅之氏によるエクストラチューニングを搭載。デフォルトのピエール中野氏チューニングをベースに、中野雅之氏がさらにチューニングを施した特別なサウンドを楽しめる。

また、従来の「ボイスガイダンス」に代わり、「サウンドガイダンス」を搭載。電源ON/OFFなどの操作の切り替えサウンドを、中野雅之氏が本モデルのためだけに手がけている。
チューニングとサウンドガイダンスは、専用アプリにより切り替え可能となっている。

"Assemble for PNK"プロジェクトでは、今後、TE-ZX1-PNKへの大沢伸一氏、クラムボン・ミト氏によるエクストラチューニングやサウンドガイダンスの追加をはじめ、豪華アーティストとのコラボレーションを多数企画しているとのこと。
ピヤホン7は完成形と思っていたが、まだ未完成らしい。今までは製品をリリースしたらおしまいというパターンが多い中、AVIOTでは、トコトン1つの製品に拘り、継続的に改善を図るという画期的なプロジェクトを始動したのだ。
ピヤホン7は、一体どこまで進化していくのだろうか。楽しみが尽きない。

無線ピヤホン7の特徴

積層造形技術による優れた装着感と高音質性

AVIOTのフラッグシップモデル、Zシリーズに相応しい装着感と音響設計を両立するため、カスタムIEM(インイヤーモニター)に多用されている積層造形技術を用いてイヤホン本体下部のシェルを造形。無線ピヤホン6で使われたケースの製法を引き継いでいる。

右から無線ピヤホン6、ピヤホン7。イヤーピースに近い樹脂の部分がダックテール(あひるの尻尾)形状となっている。


さらに、無線ピヤホン6で好評を博したという、ダックテール形状を継承。5基のドライバーを格納する複雑な音響設計を最適化するとともに、最適なフィッティングを実現している。

金属製ノズルの採用でカスタムIEM並の重心バランス

一般的な完全ワイヤレスイヤホンでは樹脂素材が使われることの多いノズル部分に、カスタムIEMでも使用される金属製のノズルを採用。高硬度・高比重・高精度な音道造形により、重心バランスの最適化不要共振の低減を実現した。

圧倒的な情報量、かつ深みのある低音域を実現

無線ピヤホン6で搭載していた平面磁気駆動型1基とダイナミック型1基だけでなく、バランスドアーマチュア(BA)型3基の計5基ものドライバーを惜しげなく搭載している。
ピエール中野氏いわく「まるで音のシャワーを浴びているよう」と感じるほど出来栄えの良いベースモデル。さらにピヤホンの特徴である低音の質感にこだわったサウンドチューニングを施されている。「うねるような低音」を楽しむことができる逸品だ。

5ドライバーシステムの特性と併せ、DSPによる処理を極限まで最小化し、Bluetoothで受信した信号を余すところなく再生するという。Bluetoothのコーデックには、SBC、AACに加え、LDACも搭載し、さらなる高音質化に貢献している。

5ドライバーが織りなす究極の音楽を是非堪能してほしい。

電気的・物理的にバランスを取った圧倒的な没入感

計4基のマイクを使用したハイブリッドアクティブノイズキャンセリングを採用しているだけでなく、物理的に環境音をシャットアウトするパッシブノイズアイソレーションを搭載。
前モデルで好評を博した音質への影響を極限まで抑え、ノイズキャンセリング特有の嫌な圧迫感や閉塞感をなくしつつも、高いノイズ抑制機能を備えたノイズキャンセリングシステムを更にブラッシュアップ。周囲の騒音を気にせず没入できる。

安心の長時間再生

イヤホン単体で最大8時間、チャージングケースを併用すれば最大20時間の長時間再生が可能という安心のロングライフバッテリーを搭載している。
無線ピヤホン6よりも長いものの、無線ピヤホン4/5と比較すると短いのは否めない。無線ピヤホン6からノイズキャンセルが搭載されたので、致し方ないだろう。
その欠点を克服すべく、無線ピヤホン6では、10分の充電で最大60分の使用が可能な急速充電にも対応しているが、ピヤホン7でも引き継がれているのが心強い。

2種類8サイズのイヤーピース同梱

イヤーピースには、形状を新規設計した肌に優しい医療用シリコンを採用。多様な耳の形状にフィットするよう、Sサイズ、Mサイズは高さの異なる2種類を用意しているという拘りよう。Lサイズ、XLサイズと合わせて、6サイズものイヤーピースが同梱されている。
さらに、密閉度と遮音性を向上させ、シリコンイヤーピースと異なる音響特性を持つウレタンフォーム素材のイヤーピースが2サイズも。

イヤーピースのサイズが合わないケースがある中、これでもかと言わんばかりに沢山のイヤーピースを用意し、送り手の音質が漏れなく楽しめるよう配慮されている。ピエール中野氏の音楽に対する拘りがここにも垣間見える。

旧モデルと比較視聴してみる

Amazon Music Unlimitedで試聴テストしてみる。イヤーピースは付属のシリコンのものを使用。イヤーピースによって、評価は変わるかも知れないので、その旨ご留意いただきたい。
試聴の際、イヤホンの挿入に関しては、できる限り低域が出るようしっかり耳孔にフィットさせているのは言うまでもない。

【試聴条件】Sony NW-ZX707を使用。
【試聴曲】水樹奈々 スパイラル(HD)、岡崎体育 深夜高速(Ultra HD)、Ado 新時代(ドルビーアトモス)、BTS Butter(ドルビーアトモス)、凛として時雨 孤独の才望(Ultra HD)

全体的に音がマイルドなのは?

ダイナミックドライバーの無線ピヤホン2だ。変にシャカシャカしていないし、安心して聞いていられる。現行機種でないのが残念な所だ。

他には、トリプルドライバーの無線ピヤホン3/4/5もジェントルな感じとでも言おうか、出音が控えめに感じられる。

ドラム映え&スッキリした高音域なのは?

色々な楽器が混在している楽曲の場合は、やはり5ドライバーのピヤホン7に軍配が上がる。ピヤホンシリーズの中では、5ドライバーということもあって、高音域の分離もいい。次点は、平面磁気駆動振動板+ダイナミックドライバー搭載の無線ピヤホン6だろう。
その次は、無線ピヤホン1。高音域寄りの出音ではあるが、ピヤホン6/7と比べたら、まだ控えめな方かも。

…以上の結果だと、人によっては、ピヤホン7は「キンキンしているのね」という印象を抱くかもしれない。それは、あながち間違っていない。しかし、ピヤホン7が究極たる所以は、素の音質以外にも優れたEQにあるのだ。

次の記事は、ピヤホンシリーズの周波数特性を取得して、どのようなものか解析をするという、かなりマニアックな内容となっている。
「結論はどうなのよ!」と結論を急ぎたい人は、リンクをタップしてこの先の記事を見ていただきたい。

周波数特性データから解析してみる

【測定条件】
・校正された711カプラーを使用。
・REWというPCアプリ使用。キャリブレーションを行った上で測定し、711カプラーの補正値を加算した値を表示させる。

視聴した後、客観的に見るため、周波数特性のデータを取得してみたので紹介しよう。ピヤホン7はイコライザーを「Bypass」としている。

ピヤホン1 vs ピヤホン7

ピアホン7の方が3kHz付近のレベルが高くなっている。聴感上でも、ピヤホン7の方が高音域のレベルが高かった。

ピヤホン2 vs ピヤホン7

ピアホン2の方が、低域のレベルが高くなっている。

ピヤホン3 vs ピヤホン7

ピアホン7の方が高音域のレベルが高くなっている。

ピヤホン4 vs ピヤホン7

ピアホン7の方が高音域のレベルが高くなっている。

ピヤホン5 vs ピヤホン7

ピアホン7の方で、2~3kHz及び10~15kHzのレベルが高くなっている。

ピヤホン6 vs ピヤホン7

ピアホン6の方が、低音域と高音域のレベルが高くなっている。

【ピヤホン7とのデータ上での違い】ピヤホン7を基準とした場合
●ピヤホン2の方が低音域のレベルが高い
●ピヤホン6の方が低音域及び高音域のレベルが高い
●ピヤホン1/3/4の方が高音域のレベルがが低い。
●ピヤホン5の方が低音域及び高音域のレベルが低い。
およそ聴感上の印象と同様であることを記しておきたい。

ピヤホン7は優れたEQで可能性が無限大!

他のピヤホンシリーズと比べると、ピヤホン6から高音域も重要視するようになったのか、今回のピヤホン7ではさらに高音域がくっきりハッキリとした音質となっている。
人によっては、「キンキンし過ぎる」とそれを嫌う人がいるのだけれど、ピヤホン7は専用アプリ「SOUND ME」により音質調整が可能なのだ。つまり、ユーザー側で好きな音質に調整できるような余力を持っているというわけ。

「SOUND ME」を起動して、ピヤホン7(TE-ZX1-PNK)を選択すると、下記の画面になるので、下の「^」をタップすると各種設定項目が表示される。

下図は、初期に搭載されている初期状態の「Bypass」モード(左)と「中野雅之EQ」モード(右)の違いだ。

下図は、初期に搭載されている初期状態の「Bypass」モードと「中野雅之EQ」モードに設定した場合の周波数特性だ。「中野雅之EQ」モードの特徴は、低音域を持ち上げて、ボーカルの聞こえるであろう中音域を下げ、高域を少し上げることで、BASSの迫力がさらに際立っているセッティングになっている。

グラフの説明:グラフの上にいけばいくほど、その周波数の音のレベルが大きいことを意味している。

ピヤホン7に搭載されているEQは±5dBの範囲で変化できるようになっている。EQを調整すると、音がたちまち破綻してしまうイヤホンも残念ながらあるのだけれど、ピヤホン7はその辺は抜かりはない。

"Assemble for PNK"プロジェクトにより、色々なアーティストが参加し、独自のEQが公開される予定となっている。完成度は高いものの、自分好みに調整できるという遊び心をくすぐる製品となっている。イコライザーを使って、自分好みのピヤホン7に仕上げてみよう!

まとめ

ピヤホン7は、平面磁気駆動型+ダイナミック、3基のBA型のトライブリッド5ドライバーを搭載し、全周波数帯域でくっきりスッキリとしたハイクラスな澄み渡る音を再現。まさに超絶音質だ。
さらにスパイスが欲しい時は、優れたEQを使えば、音変が可能。すごく懐の深いイヤホンだ。是非、この感動を味わってほしい。

ピヤホン7
総合評価
( 5 )
メリット
  • 平面磁気駆動型+ダイナミック、3基のBA型のトライブリッド5ドライバーを搭載。
  • コーデックを高音質向きのLDACに対応 。
  • 無線ピヤホン6のノイズキャンセルをさらに性能を向上。
  • 急速充電対応となっている。
  • 爪が入るよう溝ができて、ケースの蓋の開け閉めがしやすくなった。
デメリット
  • 無線ピヤホン6よりも再生時間が長いものの、無線ピヤホン4&5よりも再生時間が短い(連続8時間。チャージングケース併用で20時間)。
  • 防水性能はIPX4と無線ピヤホン4よりも若干落ちる。
  • 約5万円と高価である。

\5ドライバーが織りなす超絶音質を体感せよ!/

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