この記事を書いた人(きのぴぃ)
部品メーカー広告宣伝記事・電気系の雑誌や無線雑誌の元ライターをやってました。
以前よりガジェット集めをやっており、本業(電子機器メーカー勤務)の知見を活かしたレビューが得意です。
音楽愛好家やオーディオマニアは注目しているであろうHi-Unitの新製品「有線ピヤホン 4」を紹介したい。この革新的なイヤホンは、名高いドラマーであり、DJピエール中野としても大活躍中の「凛として時雨」メンバーであるピエール中野氏とオーディオ業界の巨匠、FitEar社との特別なコラボレーションから誕生。この記事では、その魅力的な特長や技術的側面、ピエール中野氏の関与と彼のイヤホンに対するビジョン、さらには実用的な情報やレビュー、そして最終的な推奨事項まで、全てを詳細に掘り下げていく。
「有線ピヤホン 4」は、単なるイヤホンではない。これは、音楽を愛するすべての人にとっての新しい体験を提供するためにデザインされた、革命的なオーディオデバイスといえるもの。その高精細なサウンド、優れた快適さ、そして音楽制作への深い理解が、このイヤホンを特別なものにしている。では、ピエール中野氏とFitEarがどのようにしてこの驚異的な製品を作り上げたのか、一緒に探求していこう。
プロジェクトから垣間見られるビジョン
ピエール中野氏のコメント
イヤモニ国内アーティスト使用率No.1メーカー『FitEar』とのコラボが実現しました。
思えば、ポータブルオーディオに目覚めたのは、イヤモニメーカーが一般向けに開発したイヤホンのおかげでした。
有線ピヤホン1は初めて作った有線イヤホンであり、解像度と定位に特に注力し、パッと聴いてすぐに違いの分かる音を目指してチューニングしました。
その結果、イヤホン専門店で年間売上数量1位になり、その後のピヤホン開発において大きな自信を得ることとなりました。
一方で、賛否が多くあったのも事実です。
「オーディオ的に本当に優れているイヤホンなのだろうか?」
「もっとこのポテンシャルを引き出せる方法があるのではないか」
と、考えていたところ、別件で打ち合わせをしていた『FitEar』代表の須山さんから提案を頂き、いくつかのサンプルパターンをテスト。結果として、誰もが驚くような音質を実現し、別格のイヤホンに生まれ変わりました。
ハイエンドフラッグシップの有線ピヤホン3に続く、相応しいモデルです。
有線ピヤホン4、ぜひ自分の耳で、感覚で、実際に聴いて、判断してみてください。ピエール中野は本気(ガチ)です。
(原文のまま)
FitEar 代表 須山氏のコメント
ポータブルオーディオはその名の通り持ち運んで通勤や通学、カフェや図書館などどこでも音楽を楽しむことができるライフスタイルですが、機材購入というハードルがあることも否めません。
その一歩を踏み出すきっかけは、イヤホンで音が変わる面白さに気づくこと。それを仕掛けたのがご存じピエール中野さんとHi-Unitさんのタッグ。
音質バランスと手に入れやすいプライスのバランスをとことん考え抜いたピヤホンは、ポータブルオーディオへの間口を大きく広げてくれました。
本当にたくさんの方がポータブルオーディオのパートナーとされているピヤホンで、より幅広い音楽が楽しめないか。ピエール中野さん監修の元、今回チューニングに関わることができたのは嬉しい限りです!
(原文のまま)
コラボレーションの概要
ピエール中野氏は、最初の有線イヤホン「有線ピヤホン1」を開発し、大成功を収め、さらに無線ピヤホン、ピッドホンを登場させ、次々とミッションを成功させていく。今回、FitEarの代表である須山さんからの提案があり、高音質を実現した新モデル「有線ピヤホン4」HSE-A5000PN-F(PN:ピエール中野/F:FitEar)の開発に繋がる。
FitEar 代表 須山氏はポータブルオーディオというライフスタイルに着目し、音質と価格のバランスに重点を置いた製品開発の重要性を強調。彼はピエール中野氏とHi-Unitのコラボレーションによるイヤホンが多くの人々にポータブルオーディオの魅力を伝えたと述べている。
「本当にたくさんの方がポータブルオーディオのパートナーとされているピヤホンで、より幅広い音楽が楽しめないか。」というコメントからわかるように、このプロジェクトは、オーディオマニアに刺さるような究極のイヤホンという方向性ではなく、高い音質を追求しつつも、より広い顧客層にアプローチすることを目指している。
高品質で学生でも手が届く価格のイヤホンを通じてポータブルオーディオの楽しさを広めるのが本機の特徴であり、使命といえよう。
有線ピヤホン4の紹介
主要特長と仕様
●ドライバーユニット:10 mm 高磁力マグネット
●インピーダンス:16Ω
●出力音圧レベル:96dB
●再生周波数帯域:20~20,000Hz
●最大入力:5mW
●マイク:1 ボタン付きリモコンマイク
●コード長さ:120cm
●接続プラグ:3.5mm ステレオミニプラグ
- 有線ピヤホン1のハウジングを使っているので軽い。
- コードを止めたい時に付属の固定クリップが便利。
- イヤーピースがXS/S/M/Lの4サイズある。
- スマホでイヤホンをしていても、そのまま通話できるのがいい(イヤホン端子付きスマホの場合)。
- 何てったって、ピエール中野氏xFitEar社xHi-Unit社のコラボがいい。
- 有線ピヤホン1と2よりも音の分離がよく、さらに変な味付けをしていないため音楽を素のまま聴ける。
- 有線ピヤホン1と同じハウジングのため、一緒に置かれていたら、高そうに見えないのが悲しい…。
- 有線ピヤホン1と同じケースなのがちょっと悲しい…。
\奇跡のコラボが奏でる音を体感せよ!/
詳細な仕様
ここでは、有線ピヤホン4の仕様に関する詳細情報を紹介する。
ドライバータイプと性能
有線ピヤホンは、歴代のものからカナル型でダイナミックドライバーが使われている。
有線ピヤホン1 | 有線ピヤホン2 | 有線ピヤホン3 | 有線ピヤホン4 | |
ドライバータイプ | 10 mm ダイナミック (高磁力マグネット) | 8mmダイナミック (高磁力マグネット&グラフェンコーティング) | ダイナミック (ベリリウムコーティング) | 10 mm ダイナミック (高磁力マグネット) |
有線ピヤホン4では、低域拡大を狙ってか10mm径のダイナミックドライバーとなっている。有線ピヤホン1と同じ物を使っているのかは不明だ。
ダイナミック型ドライバーユニットが持つ長所と短所として、ワイドレンジで豊かな低音、プレゼンスのある中高域が得られる一方、どうしても耳につきやすい帯域において複数のピークが生じてしまいます。HSE-A5000PN-Fでは、必要最小限のフィルタリングを施すことによりこれらのピークを抑制し、より幅広い音楽ジャンルに対応できるチューニングとなっています。有線ピヤホン4(HSE-A5000PN-F)
フィルターを必要最小限にしているところから、かなり音質に拘った設計になっていることがわかる。そこが、有線ピヤホン4のセールスポイントの1つになっている。
周波数範囲とインピーダンス
周波数範囲とインピーダンス、出力音圧レベルは次の通りだ。
有線ピヤホン1 | 有線ピヤホン2 | 有線ピヤホン3 | 有線ピヤホン4 | |
周波数範囲(公称値) | 50~20,000Hz | 5~40,000Hz | 20~20,000Hz | 20~20,000Hz |
インピーダンス | 16Ω | 16Ω | 16Ω | 16Ω |
出力音圧レベル | 96dB | 92dB | 102dB±3dB | 96dB |
有線ピヤホン2だけ、40000Hz(40kHz)となっているので、数値だけを見たら有線ピヤホン4が一番優れているように見える。しかし、ハイレゾのマークを付けるため、40000Hzまで測定しているという話であって、一番優れているということではないので誤解がないよう付け加えたい。
また、有線ピヤホン4は有線ピヤホン1のハウジング(本体)を使っているため、ソックリさんなのは仕方のないところ。
価格と入手性
なんと!6,380円と手が届きやすい価格となっており、買い求めやすいのが嬉しい所だ。これならば、お小遣いを貯めて学生も買うことができる。
メーカー直販サイトのALPEX Hi-Unit公式サイトを始め、e☆イヤホン、ノジマ、タワーレコード、コジマ、ビックカメラ、ファミリーマート四天王寺夕陽丘店、フジヤエービック、ヤマダ電機、ヨドバシカメラ、Amazon、楽天市場、Yahooショッピングなどの取り扱い店で入手できるので、入手性はすこぶるよいといえるだろう。
ハウジングが超安価な有線ピヤホン1と同じなので、もう少し安くできたのではという、うがった見方もできるが、巷に溢れている商品は、部品代だけでできているものではないことを知っておいてほしい。実際に試聴すれば、有線ピヤホン1は本当に破格だし、有線ピヤホン4は、もう少し高価になっても仕方がなかったのではないかとさえ思っている。
有線ピヤホン4は、できる限り安くして広めたいという戦略があるので、6,380円に落ち着いたのだろう。
\6,380円でいい音が手に入る!/
付属品とケーブルの特徴
長さ120cmのケーブルには、マイクとボタンリモコンがついており、スマートフォンでの使用も可能だ。そのため、3.5mm径4極プラグとなっている。
コストを下げるという課題のためか、リケーブル(ケーブルの脱着)ができない仕様となっている。リケーブルしてしまうと送り手の思惑通りの音にならなくなってしまう恐れもあるし、イヤホン自体のキャラクターを考えれば、これは仕方のないことだろう。
メーカーに突撃インタビュー
みんなが気になる有線ピヤホン4に関し、メーカーであるHi-Unit様に突撃インタビューを行ったので紹介しよう。
【Q】有線ピヤホン4は有線ピヤホン1とそっくりですが、ベースモデルは有線ピヤホン1でしょうか。
【A】有線ピヤホン1のハウジングを使用しています。
音質調整の中で、有線ピヤホン1のハウジングでの音が非常によかったからです。
目指している音へのこだわりは前提として、それが実現ができているのであれば、部材を共通化することでコストを抑えることが可能になります。
Hi-UnitはHSE-A1000開発時から、一貫して可能な限り共通化することで、求めやすい価格での高品質・高音質を実現しています。
【Q】ピエール中野氏とFitEar様とのコラボとのことですが、ご苦労された点をお聞かせください。
【A】FitEarの須山さんとは、長いお付き合いでもあるので、
「ポータブルオーディオを盛り上げていきたい」そのためにも
「イヤホンで音が変わる面白さに気付いてもらうこと」の重要性を共通認識としてもっていましたので、ご一緒させていただくことに関しては全く問題ありませんでした。
【Q】有線ピヤホン3では高額でしたが、今回お求めやすい価格設定となっております。高額ではなく、安価にした理由をお聞かせください。
【A】価格についての高い安いは、価値と価格の関係性の上での話だと考えていますので、相対的に高い安いについてのコメントは控えさせていただきます。
なお、Hi-Unitとしては一貫して「求めやすい価格のシンプルプロダクトでユーザーに感動体験を提供する」ことを目指し、商品企画・開発を行っています。
【Q】有線ピヤホン2では、ダイナミックドライバーの振動板のコーティングをグラフェンコーティングを使用されているとのこと。有線ピヤホン4では、どのような物を使用していますか。
【A】ダイナミック型ドライバーユニット1基を使用しています。
ダイナミック型ドライバーユニットが持つ長所と短所として、
ワイドレンジで豊かな低音、プレゼンスのある中高域が得られる一方、
どうしても耳につきやすい帯域において複数のピークが生じてしまいます。
HSE-A5000PN-Fでは、必要最小限のフィルタリングを施すことにより
これらのピークを抑制することで、様々ジャンルの音楽を聴いていただける音を目指しました。
【Q】有線ピヤホンシリーズで更にハイエンドのものを検討していますか。
【A】現時点で、お応えできる計画はございません。
【Q】最後に、ブログを見ている方にメッセージをお願いします。
【A】ご愛顧ありがとうございます。
歴代の有線ピヤホンは、機種ごとに、明確な目標をもって企画・開発を行ってきました。
有線ピヤホン1:リーズナブルな価格でも感動を深めるをテーマに。
有線ピヤホン2:より音楽的に楽しめるように解像度と低域の豊かさにこだわり、さらに使い勝手というところでマイク付きとし、ゲームなども楽しんでいただけるように。
有線ピヤホン3:フラッグシップイヤホンの凄みを感じてもらうために、
サウンドとスペックにこだわりました。
有線ピヤホン4:プロの現場で使われるイヤーモニターで圧倒的な国内シェアを誇るFitEarさんとのコラボで、プロの現場で評価される音を体感できるイヤホンです。
用途や目的をはじめ、ご自身にあったイヤホンを選んでいただき、
イヤホンを変えると音が変わること、大好きな音に出会うことで人生が豊かになること、ぜひ感じてほしいです。
※インタビューにご回答いただき、ありがとうございました。
有線ピヤホンのレビュー
以前のモデルとの比較
ここでは、有線ピヤホンの歴史を追うべく、4機種を使って聞き比べを行っている。有線ピヤホン1~3は、以前のアーティクルにも掲載しているので、そちらも併せて参考にしてほしい。
まずは歴代有線ピヤホンについて紹介しよう。有線ピヤホンは知っているという人は、詳しい説明は不要なので先へ飛んでほしい。
有線ピヤホン1(画像は生産完了となった3000本限定のリスペクトブルー)
ベースモデルはHSE-A1000。2019年1月に登場した本機は、低音域はタイトで力強く、なおかつ聴き疲れしない量感を、高音域は耳に刺さる成分を抑えつつクリアな印象を実現。ピエール中野氏が「この価格帯で究極と言えるバランス」と太鼓判を押すクォリティとのこと。
様々な派生機種が存在しているが、現在はHSE-A1000PN-RB(リスペクトブルー)は流通在庫のみで、HSE-A1000PN-GM(ガンメタリック)/HSE-A1000PN-PK(ピンク)の2色展開となっている。販売店によっては、限定色も存在する。
【有線ピヤホン1販売店別限定色一覧】
- ビックカメラ限定色→ドラムシルバー
- ケーズデンキ限定色→スモーキーオレンジ
- ヨドバシカメラ限定色→ヒーローレッド
- タワーレコード限定色→タワーレコード
- mu-mo SHOP限定→大森靖子氏(ピエール中野氏の奥様)アルバム「Kintsug」ピヤホンセット用。現在はピヤホンがセットになったPERSONA #1(直筆サイン入りポスター付)が購入できる。
- 株式会社TMネットワーク限定色→タイムマシンヴァイオレット HSE-A1000PN-TMV:https://alpex.jp/products/hse-a1000pn-tmv
CD付の「#ピヤホンで聴こう」という15曲CD付イヤホン(イヤホン付CD?)といった変わり種(HSE-A1000PN-LR(リミテッドレッド))の派生機種も存在する(現在入手不可)。
有線ピヤホン2(画像はリスペクトブルー)
ベースモデルはHSE-A2000。現在はHSE-A2000PN-GM(ガンメタリック)/HSE-A2000PN-PK(ピンク)の2色の他、コラボモデルであるサンリオリトルツインスターズHSE-A2000PN-KR、SEGAチュウニズムHSE-A2000PN-CNといった構成。キンミヤ焼酎のラベルデザインをリスペクトした限定色「リスペクトブルー」には、収納ケースに「宮」のロゴが入っている。
有線ピヤホン1ことHSE-A1000PNを軸にしつつ、2021年1月に登場した本機HSE-A2000PNでは聴き心地と音楽への没入感を進化させることで「聴けば聴くほど心地よくなるイヤホン」を目指すもので、低音域はバスドラムとベースサウンドの生々しさを向上させ、高音域は澄みわたったクリアさを楽しめるそう。
しかも、4極プラグ+リモコンマイクが付いているので、通話もできてしまう。いつでもどこでも音楽を楽しめるのが有線ピヤホン2の利点だ。
※2023.12.14現在HSE-A2000PN-RB(リスペクトブルー)も、メーカー直販サイトのALPEX Hi-Unit公式サイトでアウトレット品が販売されているので、要チェック!
ケースには「宮」なるロゴが。これは、ピエール中野氏が愛してやまないという宮崎本店キンミヤ焼酎のロゴ。同氏はキンミヤ焼酎をたしなみながら、音楽を聴いているのだろうか。ピエール中野氏のファンであれば、そんな思いを共有しつつ、聴いてみるのも悪くない。
地元天然水を使ったピュアですっきりとした味わいの中にもほのかな甘みとまろやかな舌触りが特徴で、梅やワイン、コーヒー豆などで割るとさらにおいしく楽しめるそう(リンク)。
有線ピヤホン3 Hi-Unit 001-pnk
クラウドファンディングで1億円の支援を集めたpnk(ピエール中野)という称号を付している「有線ピヤホン3」が2022年4月に市販化された。OFC銀メッキケーブルやベリリウムコーティングされた振動板を使うなど贅を尽くした設計。フラッグシップモデルらしく、解像度が高く、さらに音楽性に富んだセッティング。付属のイヤーピースもシリコンとウレタンの2種類あり、さらにリケーブルできるので、バランスケーブルに変えたりして、様々な味変ならぬ音変が可能。
数万人規模のフェス会場のPA現場以外にも、レコーディングのミックスチェックはもちろん、ステージモニターとしても使用されていることから音楽に携わる様々なプロにも公私問わず愛用されている。
Amazon Musicで試聴してみる
毎度お馴染みのAmazon Music Unlimitedでテストしてみる。イヤーピースは付属のシリコンのものを使用。イヤーピースによって、評価は変わるかも知れないので、その旨ご留意いただきたい。
試聴の際、イヤホンの挿入に関しては、できる限り低域が出るようしっかり耳孔にフィットさせているのは言うまでもない。
やはり、有線ピヤホン3は別格だ。音に関してもさることながら、有線ピヤホン1/2/4では聞こえない音が聞こえる。値段差があるし、性能云々も全く比較にならないので、今回のレビューでは有線ピヤホン3は除外する。気になる人は、ショップなどで有線ピヤホン3も是非聴いてみてほしい。
以下はマニアックな内容なので、ズバリ音はどうなのよ?という人はこちらをクリック!
水樹奈々 スパイラル【HD】
有線ピヤホン1では少々高音域寄りに、有線ピヤホン2では低音域寄りに聞こえるが、有線ピヤホン4では分離がよく、水樹奈々女史のビブラートの効いたボーカルと楽器、それぞれの音がバランスよく聞こえる。まだ1曲目なので、どう転ぶか楽しみ。
岡崎体育 深夜高速【Ultra HD】
この楽曲の中盤でディストーションが掛かったエレキとドラムの演奏となるが、有線ピヤホン1では少々高音域寄りに、有線ピヤホン2では低音域寄りに聞こえるが、有線ピヤホン4では分離がよく、エレキ・ドラムのどちらの音もバランスよく聞こえる。
Ado 新時代【ドルビーアトモス】
Adoのスカッとした歌声、楽器の音も交じり合うことがないようなこの曲。低音域に振っている有線ピヤホン2も悪くないが、有線ピヤホン1/4がスカッとしたいい感じに聞こえる。有線ピヤホン1と4では、聴こえは本当に僅差ではあるが、有線ピヤホン4がよいように感じた。
BTS Butter【ドルビーアスモス】
男性ボーカルではあるが、スカッとした歌声、この曲も楽器の音が複雑に交じり合うことがない。低音域に振っている有線ピヤホン2も悪くないが、有線ピヤホン1/4がスカッとしたいい感じに聞こえる。有線ピヤホン1と4では、本当に僅差ではあるが、有線ピヤホン4がよいように感じた。
ということは、有線ピヤホン4は、音が交じり合ったような楽曲において真骨頂を発揮するのかも知れない。他の楽曲を聴いて答え合わせせねば…。
凛として時雨 孤独の才望【Ultra HD】
ピエール中野氏といったら、「凛として時雨」は外せまい。沢山の楽曲の中から「孤独の才望」をチョイス。BTSの曲まで聴いて感じた有線ピヤホン4の仮説が合っているかこの楽曲で答え合わせしてみた。
思った通り、有線ピヤホン4はこの楽曲でも分離がよく、それぞれの音がバランスよく聞こえた。有線ピヤホン1は高音域が目立つものの、この楽曲でも耳障りとなるような悪い感じではない。有線ピヤホン2で聞くと、低音域が強い傾向なので、ピエール中野氏のドラムがさらに引き立つように聞こえる。有線ピヤホン、好みが分かれそうだ。
(おまけ)第一楽章Allegro con brio【ドルビーアスモス】
「ジャジャジャジャーン」で有名なベルリンフィルハーモニー管弦楽団のオーケストラだ。普段は聞かないのだけれど、今回のテストにおいて、さらに仮説に対する確証を得たいのでチョイス。
有線ピヤホン4はこの楽曲でも分離がよく、よい感じに聞こえた。有線ピヤホン1は高音域が目立つものの、耳障りとなるような悪い感じではない。有線ピヤホン1と4のどちらがよいかと聞かれたら、迷いなく4というだろう。
3機種の中で低音域が出る有線ピヤホン2で聞くと迫力が増しているように聞こえるので、人によっては有線ピヤホン2が好みだったりするのかも知れない。実に悩ましいイヤホン達だ。迷った時は、おいらのように全部買ってしまうのも手だぞ。
周波数特性データから解析
周波数特性上では、有線ピヤホン2が一番低音域が出でいるように見えるが、聴感上は有線ピアホン3の方が一番低音域が出ているように聞こえる。4本共キャラクターが異なるため、4者4様という言葉が適切ではないか。コスパが高い有線ピヤホン2がいいという人もいるかも知れないね。
有線ピヤホン1と4はハウジングを共通化しているためなのか、サイン波で周波数測定する状態(静特性)では全体的に似通った特性を示している。有線ピヤホン1の音の方向性は合っていたということなのかも知れない。
周波数特性が似通っていても、チューニングによって動特性のキャラクターが異なっているのは、大変興味深い。AdoやBTSの楽曲で有線ピヤホン1と4が僅差であったのは、周波数特性が似通っていたためではないかと推測している。
結局音質はどうなのよ?
低価格でありながらもシャッキリした音質。有線ピヤホン1と筐体が一緒なので、音楽によっては似たような音ではあるけれど、細かい音が聞きやすいチューニングが施されている。
有線ピヤホン4のまとめ
有線ピヤホン1は高音域寄り、有線ピヤホン2は低音域寄りに振った味付けのように感じるが、有線ピヤホン4は癖が強くなく、音楽を素のまま聴けるような優等生と言えるだろう。
ポジションとしては、個性的な有線ピヤホン1/2の真ん中のような位置づけ。有線ピヤホン1/2はどちらかといえばマニア受けしそうなセッティングだが、有線ピヤホン4は誰が聴いてもよい音といえるような万人受けするセッティングではないだろうか。
有線ピヤホン1/2はベースモデルが格安で、広めようという戦略のためか、優れた技術を叩き売りしている状態だったため、値段だけを考えれば、有線ピヤホン4が割高のようにも感じるユーザーもいるかも知れない。
しかし、イヤホンは楽曲などで得手・不得手があったりするものだ。有線ピヤホン1/2も然り。誰が聴いても、どの楽曲でもクオリティが高いと思えるイヤホンが6,380円で手に入るのだから、費用対効果を考えれば、有線ピヤホン4は決して高価ということはない。
どんな楽曲でもこなせる最強のイヤホンである有線ピヤホン4、是非試してほしい。
\どんな曲でもこなせる最強のイヤホン=有線ピヤホン4/